バイク免許は女性に難しい?

更新日:2023年9月25日
女性のお客様から
「バイク免許を取られる女性の方は、どの位いらっしゃいますか?」
「力が無くてもバイクの免許は取れますか?」
「足が届くか不安なのですが、お試しとかありますか?」
といった、ご質問を受けることが増えています。
バイク免許を取得するにあたって、筋力、身長(足つき)に関する不安から「バイク免許が欲しいけど、本当に自分にバイク免許が取れるのか?」と感じられることがあると思います。
実は、こういった不安を抱えたまま、ご入校される方もいらっしゃいます。では、こういった不安を皆様がどのようにしているのかというと、教習を進めていく中で徐々に払拭されています。これは、時間経過に伴いバイクの運転に慣れるだけでなく、コツを掴んで上達することにより、技術が向上するためです。
ここでは、女性の方がバイク免許を取得しようと思った際に、不安になる部分「足つき」「バイクの車重」から「教習内容」に至るまでご紹介致しております。免許取得をお悩みの方は、参考にして頂けると幸いです。
女性の卒業生が増加中!
当校では、バイク免許を取得される女性の卒業生が増加しています。
グラフにあるように、2019年度~2021年度の増加率は約150%となっています。2022年度は、更に伸びて約160%となる可能性が高まっています。
SNSの影響、友人が免許を取得したなど、様々な理由によって御入校されるお客様が増えており、お一人で御入校される方も増加しています。

では、バイク免許を希望される女性が増加している理由について考察してみます。
女性のバイク免許取得者が増える理由
趣味(ツーリング)
新しい御自身の趣味として、バイクを購入してツーリングに出かける方が増えています。
また、女性ライダーを応援するバイクスタイル誌「Lady’s Bike」なども発刊されており、かっこよく、おしゃれにバイクに乗る女性が多くなっています。
SNSの影響
Twitter、Instagramを拝見すると、「#バイク女子」を付けた女性ライダーの投稿が増加しています。中には、大型二輪免許を取得されて、ハーレーやレーサー系のビックバイクを運転されている方もいらっしゃいます。そういった方に憧れてバイク免許を希望される方が増加しています。又、SNSで女性ライダー同士が繋がりを持ちやすくなった事で、知り合った方とツーリングに出かけられるケースも増えています。

友達が取得した
在校中のお客様にバイク免許の取得動機を伺うと「友達の影響を受けて」や「彼氏がバイクに乗ってるから」など、身近な方の影響を受けて免許を取得される方もいらっしゃいました。
「免許を取って、友達とツーリングに行きたい!」など、目標を持って頑張っていらっしゃいます。

バイク免許取得の不安要素として、バイクは「重そう」「怖そう」「自信がない」等が上げられます。こういった不安から免許取得に踏み切れない方がいらっしゃいますが、イメージだけが先行してしまい「実際の所はよく知らない」方がいらっしゃると思いますので、詳細について解説させて頂きます。
バイク免許取得までの不安
免許が欲しくても、「1人では勇気が出ない」といった方もいらっしゃると思いますが、お一人で御入校される方も増えており、女性の教習生同士で仲良くなられるケースを見かけます。「1人は心細いから不安」といった方は、雰囲気を感じていただくだけでも大丈夫なので、お気軽にご相談下さい。
更に、当校では体験試乗会を開催しておりますので不安を感じている方は、ご参加頂ければと思います。
「試乗までは、チョット・・・」といった方は、跨るだけの体験も可能ですので、御相談ください。
それ以外にも、物理的な不安も様々あると思います。よくお伺いする不安と解消できる点を纏めてみました。
重さ
バイクの車重(重さ)は、男女問わず多くの方々が不安に感じています。しかし、バイクの車重は、技術革新によって新しくなる度に軽くなっています。
普通二輪、大型二輪の教習車についても車重が軽くなっています。例えば、現在の教習車と前の教習車を比較すると、約20㎏程度軽くなっています。
現在の教習車の重量は、以下のようになっています。(当校の場合)
NC750 | CB400 | |
車両重量 | 210kg | 195kg |
全長 | 2190mm | 2050mm |
全幅 | 780mm | 750mm |
数値だけでは伝わりにくいですが、「重たくてどうにもできない」という重さではありません。但し、軽いわけでもありません。しかし、重さに関しては、重さをを感じる瞬間が決まっています。
重さを感じる瞬間は、「押して歩くとき」「低速で走行するとき」「バイクを起こすとき」の3点です。言いかえると、この3点以外で重さを感じる事は殆どありません。特に、走行中に関しては重さを感じる事は、余りありません。細かく見ると以下のようになります。
「低速で走行するとき」についてですが、勢いが無くなると物理的に「重さ」を感じるようになります。これに関しては、低速でバイクを走行させる練習を頻繁に行うため、技術が徐々に向上していくので、重さを感じないように運転できるようになります。
「押して歩く」ときは、上記同様に勢いがないため「重さ」を感じます。これに関しても、教習においてバイクを車庫から出し入れする練習を行うので、その都度で練習するようになります。最初は、大変な作業になりますが、回数を熟すうちに、コツを掴む事ができるので時間の経過と共にスムーズに押して歩く事ができるようになります。
バイクを起こす時が、最も「重さ」を感じる瞬間かもしれません。但し、起こし方によっては、力があまりなくても起こせるようになります。バイクを起こす際も、上記同様に回数を熟す中でコツを掴んでいきます。多くの方が、教習の中で練習を積んでいくので、卒業前では起こせるようになっています。
引き起こしのコツ
意外にできます
足つき
重さと比例するくらい、「足つき」に不安を感じていらっしゃると思います。そういった方の、目安として「シート高」という参考数値があります。シート高とは、地面からシートの一番低い位置までの直線距離の事を言います。つまりは。シート高の数値が上がると、足を地面に着くのが難しくなります。
シート高の目安を下記のように示されています。
シート高の目安
身長 | シート高 |
150㎝未満 | 730㎜以下 |
155㎝ | 780㎜以下 |
160㎝ | 820㎜以下 |
165㎝以上 | 860㎜以下 |
表の見方として、身長155㎝の方は、シート高が780㎜以下のバイクであれば足が着きやすいという事になります。但し、表に関しては、あくまでも目安となります。足の長さなどによる個人差が生じる場合がありますのでご注意下さい。
バイクの足つき性について、表に該当しないから「乗れない」という訳ではありません。足が着くと言っても、「どの程度着くのか」「支える事はできるのか」が大切になります。これは、感覚的な部分になりますので、免許を取得される前、バイクを購入される前は、実際に跨ってみる事が大切です。
当校では、「足つき」が不安な方に、教習車に跨った後に御入校を判断していただく事も可能です。お気軽にご相談下さい。
参考

身長160㎝でシート高が755㎜の場合、バイクを傾けなくても足を着く事ができます。シート高が更に低くなると、足が着きやすくなります。
恐怖心
「バイクは怖そう」といった声をよく伺います。確かにバイクは、直接的に風を浴びるなど、僅かな速度であっても「速い」と感じやすくなり、それが「怖さ」に繋がると思います。加えて、転倒した際の痛みなどを想像すると、その気持ちは強くなります。
速度に対する恐怖は、教習開始直後こそ感じやすいですが、時間経過と共に慣れるので、徐々に薄れていきます。又、徐々に慣れて頂けるように教習を進めるので、卒業前になると怖さは解消されています。普通車の免許を取得する時も、最初は怖いですが免許を取得する頃には、その怖さも半減したのではないでしょうか?
転倒については、転倒すると痛みを感じるのは当然です。教習では、ブレスガード、エルボーガード、ニーガードを使用するので、痛みを柔らげてくれます。免許取得後は、プロテクターの入ったウェアなども充実しており、女性向けにデザインされた物も豊富にラインナップされているので、安全性とデザイン性が両立された物がオススメになります。又、近年ではバイク用のエアバッグも普及しているので、ご検討して頂きたいと思います。
アイテム(装備)を準備して転倒に備える事は大切ですが、転倒しない方法や上手な転倒の仕方を身に着ける事も大切です。教習項目の中には、「転倒防止の上手な足着き」という項目があり、効果的な足の着き方から、足を着く場所まで習得して頂きます。但し、転倒を足で防止するには限度があり、極端に傾いた車体を立て直すことは困難です。極端に傾いてしまい「倒れる」と感じた場合は、車体に挟まれないように倒す事が重要です。
ここまで転倒について記述しましたが、最も大切な事は転倒しない事です。転倒する時は、車体が足で支えられない角度まで傾いてしまう時です。例えば、高速でカーブに進入して曲がりきれない場合や、反対に低速で狭いスペース(道路)を曲がろうとする時に転倒しやすくなります。このように、限られた条件で転倒してしまうので、そういった事を避けるようにする事で転倒を予め防止できるようになります。
教習では、技術・メンタルなどの向上を図り、転倒をしないような運転を身に着けて頂きます。
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教習に関すること
教習時間
普通二輪教習(MT)時間

普通車免許を保有されている方で、普通二輪免許を取得される場合の教習時間は、技能が17h・学科1hとなります。卒業検定に合格後は、免許センターにて適性試験に合格すれば免許証交付されます。
因みに、バイク免許の教習では路上教習がありません。
教習内容
バイクの教習は、場内教習とシミュレーター教習で実施されるため、路上教習は実施されません。路上教習の練習に関しては、シミュレーターを使用して模擬的に練習を行います。
教習の進め方としては、教習開始から数時間は基本操作の反復練習を行います。基本操作とは、発進・停止・ギア操作になります。この操作を、大きく外周を回りながら身に着けていきます。その後は、加速・減速の練習を行いながら徐々に体を慣らしていきます。最初は、怖い面もありますが数時間の間で慣れるようになっていきます。
基本操作が身に着いてから課題走行の練習に入ります。
課題とは

一本橋、クランク、Sコース、スラロームを課題と呼びます。この課題を通して、バランスの取り方や低速走行の操作方法、車体を傾けて曲がる感覚などを身に着けていきます。ここで身につけた事が、上述した「転倒防止」へと繋がります。
指導員の経験を通して
バイク免許の教習を受けていて、不安や悩みを抱えている女性の方はたくさんいます。私も教習指導員として多くの教習生を見てきた中で、そのように感じる方はたくさんいらっしゃいます。実際に「大丈夫そうですね」と、声を掛けても「まだ不安です」と返答されることが多々あります。
しかし、その不安や悩みは、決して悪いことではありません。むしろ、その不安や悩みがあるからこそ、バイク免許を取得するために前向きに頑張ることができます。最初は、「まだ不安です」と、仰られた方でも教習が進むにつれて笑顔になる回数が増えています。
バイク免許を取得するというのは、とても大きな目標です。そのため、不安や悩みを感じる気持ちは、誰にでもあることです。しかし、その不安や悩みを乗り越えることで、バイク免許を取得した時の達成感は、とても大きなものになります。
頑張って努力した事は、報われる瞬間があると思います。不安な部分があるかもしれませんが、悩まずにお気軽に御相談下さい。