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バイクの二人乗りってどうなってるの?

バイク 二人乗り

更新日:2024年10月23日

「子供を乗せてツーリングしたい」「車の代わりにバイクで送迎をしたい」「ツーリングデートに行きたい」など、バイク免許を取得したら二人乗りをしたい方は、多くいらっしゃいます。

しかし、二人乗りには、法令、二人乗り特有の危険性など知っておかなければならないことが多々あります。

バイクの二人乗りは、経験年数(バイク免許取得期間)、排気量、構造(二人乗り用のシートなどの有無)などの条件(法令)が定められています。また、高速道路と一般道路では、二人乗りができる年齢が異なります。

ここでは、そういったバイクでの二人乗りに関する条件や二人乗り特有の危険性、安全な二人乗りの方法についてご案内致しますので、二人乗りを始める前に参考にしていただければと思います。

二人乗りの条件

二人乗りを行うためには、運転するバイクに応じた免許を取得していることだけでなく、二人乗りを行うための条件(法令)を満たしておく必要があります。その条件(法令)とは、経験年数(バイク免許取得期間)とバイクの排気量、乗車定員になります。また、一般道路と高速道路では、経験年数と年齢制限が異なるため注意が必要です。

一般道路

一般道路で二人乗りを行うためには、以下のように定められています。

経験年数

一般道路で二人乗りを行う場合は、普通二輪免許(小型限定含)または、大型二輪免許を受けていた期間が通算して1年以上経過していなければなりません。

また、大型二輪で二人乗りを行う場合は、普通二輪免許(小型限定含)を受けていた期間が通算して1年以上経過していれば、大型二輪免許を受けてから1年以上経過していなくても、二人乗りが可能となります。但し、普通二輪と大型二輪では、パワー、重量などが異なることため、相応の技術が必要となります。まずは、大型二輪の運転に慣れてから、二人乗りを判断することが大切です。

排気量と乗車定員

二人乗りが可能なバイクは、排気量が51㏄以上で乗車定員が2名のバイクです。バイクによっては、乗車定員1名のバイクもあるので、必ず乗車定員を確認しましょう。

高速道路

高速道路とは、自動車専用道路及び高速自動車国道を示します。高速道路で二人乗りをするためには、以下の条件を満たしておく必要があります。

年齢

高速道路で二人乗りを行う場合は、運転者の年齢が20歳以上でなければなりません。

経験年数

高速道路で二人乗りをする場合は、普通二輪免許または、大型二輪免許を受けていた期間が通算して3年以上経過していなければなりません。

また、大型二輪で二人乗りを行う場合は、普通二輪免許(小型限定含)を受けていた期間が通算して3年を経過していれば、大型二輪免許を受けていた期間が通算して3年を経過していなくても、二人乗りが可能となります。 但し、普通二輪と大型二輪ではパワー、重量などが異なるだけでなく、高速走行となると高い技術と判断力が必要となります。まずは、大型二輪の運転と高速道路の運転に慣れてから、二人乗りについて判断することが大切です。

排気量と乗車定員

高速道路を通行できるバイクは、排気量が125㏄を超えるバイクです。従って、高速道路で二人乗りを行う場合は、排気量が125㏄を超えており、かつ乗車定員が2名のバイクでなければなりません。

上記のように、二人乗りに関する条件(法令)が定められていますが、それだけを守っていれば何処でも二人乗りをしても良いというわけではありません。道路によっては、二人乗りでの通行を禁止している道路があります。

違反した場合の罰則

バイク免許取得後、1年未満で二人乗りをした場合の罰則は、違反点数2点が加算されると共に、反則金が科せられます。

二人乗りに関して、条件や罰則が設けられている理由は、二人乗りに起因した事故を防止するためです。運転経験が浅い中、高度な技術が必要とされる二人乗りをすることは、大変危険な行為です。
同乗者の命を預かっていることを自覚して、確実に法令を守って運転するようにしましょう。

二人乗りの禁止

二人乗りを禁止する場合として、上記の条件(法令)を満たしていない場合のほか、下図の標識が設置されている道路では、二人乗りでの通行を禁止しています。

バイク 二人乗り禁止

この標識の名称は「大型自動二輪車及び普通自動二輪車二人乗り通行禁止」と言います。
意味としては「この標識がある道路では、大型二輪車または普通二輪車で通行するときに、二人乗りをしてはいけません」となります。

二人乗りで運転中は、この標識に注意して運転しましょう。

技術

技術に関して、二人乗りを禁止する法令はありません。しかし、バイク免許を取得して1年以上経過したが、ほとんど運転していない場合は、二人乗りを控えた方が良いかもしれません。その理由として、バイクは一人で運転するよりも、二人乗りで運転する方が難しいからです。

例えば、二人乗りを行う場合、同乗者が乗車することで総重量が重くなります。そのため、加速が鈍くなり上手に合流等ができなくなる可能性があるだけでなく、停止時に、停止距離が伸びてしまう恐れがあります。また、同乗者が前後左右に動いてしまうと運転に大きな影響を与えてしまい、バランスを崩す原因になります。

バイクをしばらく運転していない場合は、1人乗りで運転を開始しましょう。そして、バイクの運転に慣れてきたら、短い距離で二人乗りを実施するなど、徐々に慣れるようにしましょう。

二人乗りの特性

安全にバイクの二人乗りを行う場合は、二人乗りの特性を掴むなど、事前の準備が必要です。下記の特性を踏まえて、安全な二人乗りができるようになりましょう。

加速

二人乗りをすると、総重量が重くなることから、加速が鈍くなります。そのため、合流や右折時にもたついたり、上り坂で失速するなど、瞬発力が求められるような場面で危険に繋がる場合があります。特に、右折時は事故に直結する可能性があるため、余裕のあるタイミングで右折するようにしましょう。

また、急加速に注意しなければなりません。急加速をすると同乗者が急に後ろに引っ張られるため、同乗者自身の体を運転者の体で支えようとします。それに応じて、運転者が後方に引っ張られてしまいバランスを崩してしまうことがあります。同乗者が子供の場合は、落下の危険性があるので一層の注意が必要です。

減速

減速時は、前方に荷重が掛かるため、同乗者の体重が運転者に掛かってきます。この場合、運転者が同乗者の体重を支えるようになり、運転者は窮屈な体勢となるため、ハンドル操作が出来なくなり、バランスを崩してしまう恐れがあります。
転倒防止のためにも、早めの減速を心がけましょう。

急減速は、急激に総重量(体重、車重)が前タイヤに掛かってしまうため、前タイヤがロックして転倒する可能性があります。
交通状況を早めに捉えて、安定したブレーキが掛けられることが重要です。

カーブ

カーブでは車体を傾けて曲がります。しかし、同乗者は反射的に車体が傾いている反対方向に、体を動かしてしまうことがあります。この場合、車体の傾きが浅くなるため、カーブを曲がり切れない恐れがあります。
カーブ前では、充分な速度を落として余裕のある速度でカーブに進入しましょう。

右折、優先路への進入

発進速度が鈍くなるため、右折時や優先路進入時など他車の前に入る場合は、余裕のある時機に進入しましょう。
いつも通りの感覚で進入すると、思わぬ事故に繋がるケースがあります。

同乗者に関して

同乗者がバイク免許を取得していない場合、運転者ほどの緊張感が無く、集中力が疎かになります。また、自身の動きが運転に大きく影響することを理解していない場合があります。更に、運転者に比べて、危険察知、危険予測に対する反応が遅くなる場合があります。

転倒時は、運転者に比べて怪我をする可能性が高くなる場合があります。上記事項も踏まえて、同乗者の方には、運転者と同程度の緊張感と集中力を持たせるようにするだけでなく、自身の動きが運転に大きく影響することを理解してもらいましょう。

安全に二人乗りをするためには、以下のような対策を事前にとりましょう。

運転者と一体となる

加速、減速、カーブなど体に動きが出る場面では、バイクの動きと運転者の行動を予めレクチャーしておきましょう。例えば「加速時は体を引かないようして欲しい」「減速時は、体重をできるだけ掛けないで欲しい」「カーブでは運転者と同じように動いて欲しい」など、必要な体の動きを伝えておきましょう。

正しく同乗

正しい同乗方法のポイントは、足のかけ方(ステップ)、運転者への捕まり方、視線の向け方があります。

ステップには、足の土踏まずを乗せます。そして、下方向に体重を掛けるようにして、体が前後に揺れすぎないようにします。
運転者への捕まり方は、運転者の腰付近に手を回します。更に、膝で運転者の腰を挟み込むようにします。こうすることで体がしっかりと固定されるため、運転者に合わせた行動がとりやすくなります。
車体後方に握り手がある場合は、片方の手で握り手を掴むことも一つの方法です。

但し、同乗者と運転者が密着しすぎると、運転者の動きが制約されます。反対に、離れすぎると運転者が同乗者の動きを察知できなくなるため適度な距離感を取るようにしましょう。

子供などステップに足が届かない場合は、安全な乗車が行えないため二人乗りを避けるようにしましょう。

服装など

同乗者のヘルメット着用は義務です。必ずヘルメットを準備しましょう。最近では、インカム内蔵のヘルメットが販売されており、運転中の会話がクリアにできるため、使用される方が増えています。

服装は運転者と同じように、肌の露出が少なくなるようにしましょう。可能であれば、ライディングウェアが好ましく、プロテクター内蔵の物であれば安心です。次に、グローブの着用です。転倒時は、手を着いて怪我をすることがあります。手をついた瞬間は、思わぬ怪我に繋がる場合があるため、グローブを装着しましょう。

靴は、バイク用ブーツがベストです。スニーカーでも代替可能です。但し、紐がほどけて絡まる事案が発生しているため、紐がほどけないように注意しましょう。

適切な装備を準備しましょう

合図

走行中の会話は、インカムなどを使用しない場合は、難しくなります。従って、インカムなどを使用していない状況では「休憩したい」「お手洗いに行きたい」といった必要なことを伝えるために、ハンドサインなどを手段を用いるようにしましょう。

制限

二人乗りは、同乗者を指定された位置以外に乗車させることが禁止されているため、子供をおんぶするなどの方法で二人乗りをすることはできません。

道路交通法では、同乗者について具体的な規定は設けられていません。ただし、保安基準で二人乗りが可能なバイクとして「握り手及び足掛け(ステップ)を有するもの」と記載されています。このことから、同乗者が握り手及び足掛けを正しく使用できる人を、同乗させることが良いと考えることができます。

必要な準備

二人乗りをする際には、ヘルメットの購入が必須です。後ろに乗っている人のヘルメットは、サイズが合っていないものや、ハーフサイズのヘルメット、原付用のヘルメットなど、簡易的なものを使っている人をよく見かけます。しかし、上記でも述べたように、後ろに乗っている人は運転者よりも怪我をする可能性が高くなります。そのため、適切なヘルメットを着用することが重要です。また、着用時には、顎紐をしっかり締めてください。

また、保険の補償内容を確認しましょう。場合によっては、同乗者が保険の対象外となっている場合があるため、事前の確認を怠らないようにしましょう。

二人乗りを経験してみて

二人乗りの経験から得た重要なポイントは速度です。カーブなどで速度が速い場合、車体を深く傾ける必要があります。しかし、同乗者がいる場合、車体を傾けにくくなり、カーブで膨らんでしまう可能性があります。この状態ではカーブを曲がり切れなくなり、事故に繋がる可能性があります。さらに、速度が速い状態で事故が起きると、大きな怪我に繋がるため、速度には十分に注意して下さい。

更に、制動距離の変化に注意が必要です。二人乗りを行うと、単純に同乗者分の体重が加算されるため、制動距離が長くなります。影響については、上記でも記載していますが、状況によっては驚くほど停止できない場合があります。また、ブレーキ操作の方法によっては、バランスを崩す場合もあります。そのため、充分な車間距離の確保と早めのアクセルOFFが重要になります。

二人乗りの状態では、安全に通行できる速度と車間距離で運転するように心がけましょう。

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