小型二輪のメリットとデメリット
更新日:2024年8月8日
今も続いている小型二輪人気ですが、その人気の理由は、購入価格、維持費、免許取得費用など、経済的なメリットから、原付に比べて、二人乗りができる、二段階右折をしなくても良い、法定速度が引き上げられるなど、法令面のメリットが要因として挙げられます。
しかし、そんな小型二輪でも、所有して初めて感じるデメリットがあるのも事実です。
ここでは、小型二輪を使用している当校の指導員にヒアリングを行い、そこから見えてきた、小型二輪のメリットとデメリットについて、ご紹介いたします。
小型二輪のメリット
指導員からの意見を集約すると、小型二輪のメリットは「経済的」と「利便性」の2つに分けることができました。
経済的メリット
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経済的な部分に関しては、上記のような意見が多く寄せられました。経済的なメリットを細かく抽出すると、以下のようになりました。
- ・任意保険がファミリーバイク特約で使える
- ・マンションなどの駐輪場に停められる(駐車場代が不要)
- ・1ℓで約70㎞~100㎞走行できるなど燃費が良い
- ・キーレス、USB充電な便利な機能が多い
特に、普通車から小型二輪に乗り換えた場合、経済的なメリットを感じることが多く、維持費(税金、燃料代など)は、特に大きく変わるようです。
更に、維持費だけでなく、利便性に関しても以下のような意見がありました。
利便性メリット
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などの意見が寄せられました。
小型二輪の利便性は、実際に運転してみないとわからないことが多く存在します。特に、車体の安定感と流れに乗りやすい走行性能は、小型二輪の大きなメリットです。車体の形状などから、安定感はあまりないように見えますが、技術の進歩により、小型二輪の安定性は大きく向上しています。また、エンジンの進化により、小型二輪でもパワフルな走行が可能となっています。
小型二輪の車両重量は、AT車で100kg前後と軽いため、扱いやすいのが特徴です。力が必要となる取り回し(押して歩く)、引き起こし(バイクを起こす)、センタースタンド掛けが容易にできます。100kg前後と聞くと「重そう」な印象を受けますが、実際に扱ってみると「重さ」を感じる場面は少ないと思います。
原付から小型二輪に乗り換えると、右折方法と法定速度など利便性にメリットを感じることが多いです。原付は、二段階右折が必要なため、交差点の形状を事前に調べておく必要があります。しかし、小型二輪では二段階右折が不要なため、そういった事前チェックの必要もないことから、右折する時間と手間を省略できるようになります。また、小型二輪の法定速度は原付よりも速いため、長距離の移動が容易になります。
小型二輪は、普通車に比べて経済的なメリットが多くあります。車検が不要で税金や保険料が安いため、維持費を安く抑えることができます。また、燃費が良いことから、ガソリン代も安く済みます。さらに、小型二輪は、車体がコンパクトであることから、駐輪場に停められるため、マンションなどでの駐車場代が掛からないケースもあります。
しかし、メリットだけではありません。当然、デメリットもあります。
小型二輪のデメリット
デメリットについては、以下のような意見がありました。
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小型二輪のデメリットとして、最も多かった意見が高速道路を使えないことです。高速道路は、高速自動車国道と自動車専用道路を指すため、小型二輪では、自動車専用道路を通行することはできません。そのため、普通車で使用していた通勤ルートを使えなくなるケースがあります。
又、ニュースなどでは、誤って自動車専用道路に進入してしまう事例が報じられています。この場合、自動車専用道路の標識を見落としている可能性が非常に高いです。漫然と運転していると進入してしまうので、注意が必要です。
他にもデメリットとして「他車から見落とされやすい」といった意見がありました。小型二輪は、車格が小さい割に速度が出やすいという特徴があります。その特徴が故に、発生してしまう危険場面が存在します。例えば、加速している状態で、先行車が急な車線変更してくることがあります。これは、先行車のミラーに自車が写っていないために起こる現象です。また、対向右折車が急に右折する場合があります。これについては、対向右折車が距離目測を見誤ることによって発生します。
どちらも、車体が小さく速度が速いことで起きやすい現象になります。
こういったことから、指導員は小型二輪を安全に運転するために「緩やかな加速」「他車が発見しやすい走行位置」を心がけるだけでなく、他車が自車をどのように捉えているかを考えながら運転しています。
ATとMTの比較
所有するバイクのATとMTで、メリットとデメリットがあります。
ご覧の通り、ATはスクータータイプが主流となっており、MTはネイキッドタイプが主流です。
この両車を比較した場合のメリット、デメリットは以下のようになりました。
車種 | メリット | デメリット |
AT | ・荷物が入る ・足つきが良い ・軽い |
・存在感がない |
MT | ・安定感させやすい ・扱う楽しさ |
・荷物が入らない ・操作が複雑 |
AT車の場合、メットインスペース(シートの下)が広くあるため荷物が入りやすい事が最大のメリットです。駐車中は、ヘルメット及び雨具を保管でき、運転中であれば、買い物で購入した品物を収納する事ができます。又、メットインスペース以外にも収納が用意されており、ドリンクやスマホなどを収納することができます。
MT車は、AT車のようなメリットはありませんが「扱う楽しさ」は、大きなメリットです。バイクを自在に操る楽しさを感じられるのは、MT車の方が上であると言えます。
ATの特徴
AT車は、クラッチ操作の必要がないため、アクセルとブレーキの操作で運転することが可能です。その為、操作が容易でスムーズです。又、足つきがMTに比べて良いことが特徴です。教習においても、多くのお客様がスムーズに進んでいます。又、ハンターカブ、スーパーカブといった「カブ」に注目が集まっており、今では「カブツー」と呼ばれる、カブを利用したのツーリングから、カブを使用してキャンプに出掛ける方が増えています。
MTの特徴
MT車は、クラッチ操作があるため操作が複雑になります。反面、ギア操作などが自在に行える上、人車一体となった走行がATに比べて行いやすいため、「バイクを運転している!」という感覚を得る事ができます。
車重は、AT車に比べて重いですが、それにより安定感に繋がります。又、車体の構造上から衝撃を吸収しやすいので、乗り心地が良くなります。
最近では、デザイン性の良いモデルが販売されており、若い方を中心に人気が上がっています。
二人乗り
小型二輪は、条件を満たすことで二人乗りが可能になります。原付と比較すると、二人乗りができることが、大きなメリットがあります。
小型二輪で二人乗りを行う条件は、以下のようになります。
1 乗車定員が2名である
2 小型二輪免許を取得して1年以上経過している(取得期間)
上記が条件になります。乗車定員については、車両によっては1人乗りの場合もあるため、車検証で必ず確認しましょう。
取得期間に関しては、免許の効力が停止されている期間は除かれるため注意が必要です。二人乗りを行う場合は、条件をよく確認しましょう。
二人乗りの技術
二人乗りは、一人乗りに比べて危険を伴うため、上記のような条件が設けられています。
同乗者は、加速時に運転者を後ろに引っ張り、減速時は運転者に体重をかけるなど、操作に大きな影響を及ぼします。又、コーナリングの際には、恐怖心から外側に体を逃がしてしまうので、カーブで大回りする事があります。
このように、二人乗りの場合は同乗者が運転操作に様々な影響を及ぼすため、運転中は細心の注意を払い、乗車前には同乗者に対して、二人乗りのアドバイスを行う事が大切です。
限定解除
小型二輪を暫く所有した後、普通二輪に興味が湧いてくる場合があります。小型二輪免許の正式な名称は、普通二輪小型限定免許になります。つまり、小型限定解除を行うことで限定無しの普通二輪が運転できるようになります。限定無しの普通二輪免許にすると、400㏄までの二輪車を運転できるようになります。
小型二輪免許の限定解除の種類は、以下の通りです。
現有免許 | 解除内容 | 解除後の免許 |
普通自動二輪小型限定 | 小型解除 | 普通自動二輪 |
普通自動二輪小型AT限定 | 小型AT解除 | 普通自動二輪 |
普通自動二輪小型AT限定 | AT限定解除 | 普通自動二輪小型限定 |
限定解除の教習時間、教習料金は解除内容によって異なります。詳しくは、下記リンク先でご紹介しています。
小型二輪の維持費
小型二輪のメリットとして、経済的な面に関しては多数の声が指導員から上がりました。その中でも、維持費に関しては様々な声がありましたので、代表例をご紹介します。
当校指導員の中西さんの場合は、以下のようになります。
中西さんの愛車は、2013年式のSUZUKI GN125Hです。
軽自動車税 | 2,400 円 |
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重量税 | 0円 |
自賠責保険 | 3,672円 |
任意保険 | 0円※ |
車検代 | 0円 |
ガソリン代 | 約10,000円 |
駐車場代 | 0円 |
合計 | 約16,072円 |
中西さんは、ツーリングメインで利用しています。年間走行距離は約3,000㎞、給油は月1回程度です。この場合の年間維持費は、約16,000円となります。(車両代は含まれていません)
バイクの燃費、年間走行距離によって、ある程度の差は生じますがトータルの維持費については、普通車に比べると抑えることができるのではないでしょうか。
※任意保険は、ファミリーバイク特約を利用
150CC
125㏄の人気が高まることにより、150㏄が注目されています。150㏄は、125㏄のデメリットであった高速道路の通行が可能です。又、車体が125㏄と殆ど変わらないため、駐輪場に停める事もできます。
但し、保険料に関してファミリーバイク特約が使えないなど、維持費が上がる可能性があります。「長い目で見ると、150㏄の方が安く済んだ」といった、お話を伺う事もあるのでしっかり調べると良いと思います。
免許については、普通二輪免許が必要になります。免許取得を、お考えの方は購入するバイクを決めてから免許を取得するようにしましょう。
小型二輪免許
小型二輪免許は、他の二輪免許に比べて教習時間が短いため、比較的短期間で免許取得が可能です。
詳しい教習内容は、下記リンク先でご紹介しております。
ロイヤルドライビングスクール広島
ロイヤルドライビングスクール広島は、昭和60年(1985年)広島県初の二輪専門校としてスタートしました。二輪教習に限れば県内でも長い歴史を持つ自動車学校となります。この長い歴史の中で培ってきたノウハウは、現在の指導員にも脈々と受け継がれています。それもあり、これまでにご卒業頂いた多数のお客様から、ご好評頂いております。しかし、全てのお客様にご満足して頂いているわけではございません。私共は、顧客満足度№1となれるように、教習方法、話術等を指導員の間で日々、研究しております。
安全に運転するために
二輪は、危険な乗り物です。それは、昔に比べて車両が高性能となった現在でも変わりありません。では、その危険な二輪車をどのようにすれば、安全に運転できるのか?安全に運転するためには、何が必要であるのか?私共は、真剣に考えて参りました。その1つが ”心” です。「安全に運転しよう」「注意して運転しよう」そういった運転者の気持ちが安全に運転して頂く重要なポイントであると考えております。
「この道具は危険だから注意して扱って」「この作業は危ないから注意して行うように」と、言われると殆どの方は注意するのではないでしょうか?しかし、「どのように注意すれば良いのか?」「何に注意すれば良いのか?」を”方法”として具体的にしなければ、注意しようと思っても注意する事はできません。当校では、”心” と ”方法” の両面に重点を置いて教習をさせて頂いております。
令和5年になって、二輪車の交通事故が増加しています。小型二輪の場合、普通車から小型二輪に通勤方法を変更される方がいらっしゃいます。通勤方法を変更したことにより、通勤時間の短縮を想定されるかもしれません。しかし、この短縮が、危険を伴うすり抜け、追い越しなどに結びついてしまいます。こういった行為が、交通事故に繋がっていることを、忘れてはいけません。
運転には「ゆとり」が必要です。通勤方法を変更しても、時間や判断に余裕を持たせることが大切です。