小型二輪ってどうなの?
更新日:2023年1月28日
そもそも小型二輪とは
小型二輪の正式名称は、「普通自動二輪小型限定」(以下、小型二輪)となっており、普通二輪の一部として位置づけられます。普通自動二輪に小型限定という名称がつくと、普通自動二輪の中で排気量が50㏄を超えて125㏄以下の二輪車を指します。
つまりは、排気量が50ccを超えて125㏄以下の二輪車を運転したい場合は、小型二輪免許が必要となります。
では、小型二輪の詳細について見てみます。
小型二輪のメリット
小型二輪免許の需要は、高まる一方となっています。特に、AT車の人気が非常に高く、小型二輪免許の入校生約8割の方が、AT限定で御入校されています。では、なぜAT限定小型二輪が人気となのでしょうか?
AT限定小型二輪免許取得の理由としては
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などが、あります。
維持費に関して多くのメリットがあります。例えば、燃費の面では、リッターで約50㎞走行できる車両も販売されています。保険の面であれば、ファミリーバイク特約などが利用できるなど、コストを比較的抑えて維持する事が可能です。
維持費だけでなく、利便性も特筆すべき所があります。
利便性のメリットとしては
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などがあります。
原付のように法定速度が30㎞ではないため、交通の流れに乗りやすく車線変更なども容易になります。右折時では、二段階右折を行う必要がありません。又、車重が軽いので車体を押したり、スタンド掛けが容易にできる上、車体が小さいことから、駐輪場に停めやすいなど、維持費以外に様々なメリットが小型二輪にあります。
しかし、メリットだけではありません。当然、デメリットもあります。
小型二輪のデメリット
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小型二輪で高速道路(高速自動車国道、自動車専用道路、以下、高速道路)を通行できないことは、以前に比べて知られるようになりましたが、知らない方いらっしゃると思いますので、御注意下さい。又、ルールは知っていても、気づかない間に専用道路に進入してしまう場合があります。これは、料金所がない自動車専用道路の入口で自動車専用の標識を見落としてしまい、そのまま自動車専用道路に入ってしまうケースが考えられます。小型二輪を運転中は、自動車専用の標識に注意が必要です。

その他デメリットとして、車体が小さいため、他の車両から見落とされやすくなります。見落とされやすい事に加えて、加速中は、他のドライバーに対して、気づかれない間に接近する事になり、車線変更時などに割り込まれたり、対向右折車が急に曲がってくる場合があるため注意が必要です。
ATとMTの比較
小型二輪には、「AT」とMT」があります。主な違いは、クラッチ操作の有無と車体の形になります。


ご覧の通り、ATはスクータータイプが主流となっており、MTはネイキッドタイプが主流となっています。当然、両車にはメリット、デメリットがあります。
車種 | メリット | デメリット |
AT | ・荷物が入る ・足つきが良い ・軽い |
・安定感がない ・存在感がない |
MT | ・安定感がある ・扱う楽しさ |
・荷物が入らない ・操作が複雑 |
ATの特徴
AT車は、クラッチ操作が必要ないため、アクセルとブレーキの操作で運転する事が可能です。その為、操作が容易でスムーズです。又、足つきがMTに比べて良くなっており、シートの下に荷物を入れるスペースがあるので、買い物、通勤、通学に使用される方が増加中です。車体が比較的小さいので、駐輪場に停めやすい所も人気の1つです。
又、ハンターカブ、スーパーカブといった「カブ」に注目が集まっており、今では「カブツー」と呼ばれる、カブを利用したのツーリングから、カブを使用してキャンプに出掛ける方が増えています。
MTの特徴
MT車は、クラッチ操作があるため操作が複雑になります。反面、ギア操作などが自在に行える上、人車一体となった走行がATに比べて行いやすいため、「バイクを運転している!」という感覚を受けやすいです。
車重は、AT車に比べて重いですがその分安定感が生まれます。又、車体の構造上から衝撃を吸収しやすいので、乗り心地が良くなります。
最近では、デザイン性の良いモデルが販売されており、若い方を中心に人気がでています。
二人乗り
小型二輪でも、条件を満たせば二人乗りが可能になります。その条件としては、
1 乗車定員が2名である
2 小型二輪免許を取得して1年以上経過している(取得期間)
上記が条件になります。乗車定員については、車両によっては1人乗りの場合もあるため、車検証を用いて必ず確認しましょう。
取得期間に関しては、免許の効力が停止されている期間は除かれるため注意が必要です。二人乗りを行う場合は、条件をよく確認しましょう。
二人乗りの技術
二人乗りは、一人乗りに比べて危険を伴うため、上記のような条件が設けられています。
同乗者は、加速時に運転者を後ろに引っ張り、減速時は運転者に体重をかけるなど、操作に大きな影響を及ぼします。又、コーナリングの際には、恐怖心から外側に体を逃がしてしまうので、カーブで大回りする事があります。
このように、二人乗りの場合は同乗者が運転操作に様々な影響を及ぼすため、運転中は細心の注意を払い、乗車前には同乗者に対して、二人乗りのアドバイスを行う事が大切です。
限定解除
限定解除を行えば、限定無しの普通二輪が運転できるようになります。限定解除には、現有免許に応じて解除の内容を選択する事が可能です。
限定解除の例として
現有免許 | 解除内容 | 解除後の免許 |
普通自動二輪小型限定 | 小型解除 | 普通自動二輪 |
普通自動二輪小型AT限定 | 小型AT解除 | 普通自動二輪 |
普通自動二輪小型AT限定 | AT限定解除 | 普通自動二輪小型限定 |
限定解除の教習時間、教習料金は解除内容によって異なります。
小型二輪の維持費
小型二輪を維持する時の費用は、どのくらい掛かるのでしょうか?当校社員、中西さんの場合を見てみます。
中西さんの愛車は、2013年式のSUZUKI GN125Hです。

軽自動車税 | 2,400 円 |
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重量税 | 0円 |
自賠責保険 | 3,672円 |
任意保険 | 0円※ |
車検代 | 0円 |
ガソリン代 | 約10,000円 |
駐車場代 | 0円 |
合計 | 約16,072円 |
中西さんは、ツーリングメインで利用しています。年間走行距離は約3,000㎞で、給油は月1回程度となっています。
小型二輪の維持費は、比較的「安価」なイメージを持たれています。その実としては、車検代と任意保険がポイントです。小型二輪であれば、車検代の必要がなくなり、ファミリーバイク特約の利用で0円となる為、普通車などに比べて安く維持できるようになります。
※任意保険は、ファミリーバイク特約を利用
最後に
150CC
実は、125㏄の小型自動二輪の上に150㏄の普通自動二輪があります。150㏄なので高速道路を通行する事ができます。車体の大きさも125㏄と比べても大きすぎる事はないため、人気があります。但し、150㏄は普通自動二輪(小型限定ではない)となるため、普通自動二輪の免許が必要となります。
小型二輪免許
小型二輪免許は、他の二輪免許に比べて教習時間が短いため、教習料金も低くなっており、ATとMTで選択できるようになっています。
ロイヤルドライビングスクール広島
ロイヤルドライビングスクール広島は、昭和60年(1985年)広島県初の二輪専門校としてスタートしました。二輪教習に限れば県内でも長い歴史を持つ自動車学校となります。この長い歴史の中で培ってきたノウハウは、現在の指導員にも脈々と受け継がれています。それもあり、これまでにご卒業頂いた多数のお客様から、ご好評頂いております。しかし、全てのお客様にご満足して頂いているわけではございません。私共は、顧客満足度№1となれるように、教習方法、話術等を指導員の間で日々、研究しております。
安全運転して頂くために
二輪は、危険な乗り物です。それは、昔に比べて車両が高性能となった現在でも変わりありません。では、その危険な二輪車をどのようにすれば、安全に運転できるのか?安全に運転するためには、何が必要であるのか?私共は、真剣に考えて参りました。その1つが ”心” です。「安全に運転しよう」「注意して運転しよう」そういった運転者の気持ちが安全に運転して頂く重要なポイントであると考えております。
「この道具は危険だから注意して扱って」「この作業は危ないから注意して行うように」と、言われると殆どの方は注意するのではないでしょうか?しかし、「どのように注意すれば良いのか?」「何に注意すれば良いのか?」を”方法”として具体的にしなければ、注意しようと思っても注意する事はできません。当校では、”心” と ”方法” の両面に重点を置いて教習をさせて頂いております。
小型自動二輪は、その手軽さから運転される方が増加しています。その反面、危険を伴うすり抜け、追い越し等を見かける事があると思います。「先を急いでいる」「早く行きたい」という心理がそういった運転行動を取らせていると感じます。事故を起こさない、遭わないためには「ゆとり」が必要です。心に「ゆとり」をもち、時間、判断に「ゆとり」を持たせた運転が小型二輪免許には必要です。