深視力検査とは?必要な免許・合格基準・検査方法を解説

深視力検査

大型免許や中型免許、準中型免許、けん引免許、第二種免許などを取得する際には、通常の視力検査に加えて「深視力検査」が必要です。

深視力検査では、3本の棒を使った「三桿法(さんかんほう)」によって、奥行きの違いを識別する能力を確認します。

合格基準は、2.5mの距離から3回検査し、3回の平均誤差が2cm以下であることです。

このページでは、

  • 深視力検査とは何か
  • 深視力検査が必要な免許
  • 合格基準
  • 実際の検査方法
  • 免許種別による違い
  • 免許更新時の深視力検査
  • 基準を満たせなかった場合

について、自動車学校が分かりやすく解説します。

深視力検査とは

深視力検査とは、物の奥行きや距離の違いをどの程度識別できるかを確認する検査です。

一般的な運転免許の視力検査では、ランドルト環などを使って「どのくらい細かいものまで見えるか」という視力を確認します。

一方、深視力検査では「三桿法」と呼ばれる方法を用いて、前後に動く棒と固定された棒との位置の違いを判断します。

大型免許や中型免許など一定の運転免許では、通常の視力だけでなく、この深視力についても適性基準を満たす必要があります。

深視力検査の重要性

安全な車間距離の維持

深視力は、目の前の物体までの距離を正確に測る能力です。この能力がないと、前方の車との車間距離を維持することが難しく、追突のリスクがあがります。

正確な速度調整

深視力が優れていると、ほかの車や障害物との距離を正確に判断でき、適切な速さでの運転ができます。とくに高速道路や混雑した街中での運転で重要です。

安全な車線変更と駐車

深視力が必要な状況は、車線変更にほかの車との距離を把握する必要や、駐車時にまわりの障害物やほかの車との距離を判断することが求められます。

深視力検査が必要な免許

免許の種類深視力検査
大型第一種免許必要
中型第一種免許(限定なし)必要
準中型第一種免許(限定なし)必要
けん引免許必要
第二種免許必要
大型仮免許必要
中型仮免許必要
準中型仮免許必要
中型8t限定免許不要
準中型5t限定免許不要
普通第一種免許不要
大型特殊第一種免許不要
大型・普通自動二輪免許不要

特に注意したいのが、中型免許と準中型免許です。

「中型8t限定免許」と「準中型5t限定免許」を限定された状態のまま保有している場合は、深視力検査の対象ではありません。

一方、限定のない中型免許・準中型免許では深視力検査が必要です。

また、普通自動車を運転する普通第一種免許では深視力検査はありませんが、旅客運送などに必要となる普通第二種免許では深視力検査が必要です。

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深視力検査の合格基準

大型第一種、中型第一種(限定なし)、準中型第一種(限定なし)、けん引、第二種などの免許では、次の基準を満たす必要があります。

通常の視力

  • 両眼で0.8以上
  • かつ、片眼それぞれ0.5以上

眼鏡やコンタクトレンズによる矯正視力も含まれます。

深視力

三桿法(さんかんほう)の奥行知覚検査器を使用し、

  • 検査距離:2.5m
  • 検査回数:3回
  • 合格基準:3回の平均誤差が2cm以下

であることが必要です。

ここで重要なのは、3回すべてを2cm以内に収めなければならないという基準ではなく、3回の「平均誤差」が2cm以下であることです。

深視力検査のやり方

深視力検査では「三桿法」という方法が使われます。

検査器の中には、縦に並んだ3本の棒があります。

両端の2本は固定されており、中央の1本だけが前後に動きます。

検査を受ける人は、3本の棒を見ながら、中央の棒が両端の棒と同じ位置に並んだと思ったタイミングでボタンなどを押して停止させます。

実際に3本が並んでいる位置と、停止させた中央の棒との位置のずれが「誤差」です。

この検査を3回行い、3回の平均誤差が2cm以下であれば深視力の基準を満たします。

深視力検査の測定方法

奥行知覚検査器

のぞき込んだ検査機の2.5メートル先に3本の棒があります。下の画像のように、この3本の真ん中の棒だけが前後にくり返し移動をします。

3本の棒が横一列にそろったところでストップボタン(画像の赤丸)で真ん中の棒の動きを止めます。その誤差が一直線の位置から前後2センチ以内が合格範囲です。3回の平均誤差2センチメートル以下であれば合格です。

深視力検査の準備と対策

深視力検査に合格するためには、どういう見えかたが合格なのか事前に知っておくことが必要です。

合格の場合の見えかた

①真ん中が少しだけ細く見える場合、真ん中の棒は奥にある。②3本とも同じ太さに見える場合、3本ともそろっている。③真ん中が少しだけ太く見える場合、真ん中の棒は前にある。

②番のように3本とも同じ太さに見えたら合格範囲内です。
実際の検査でもこの状態を思い出して、合格を目指しましょう。

眼鏡やコンタクトレンズを使用している場合

通常の視力について眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が必要な場合は、矯正した状態で深視力検査を受けます。

普段使用している眼鏡やコンタクトレンズで視力に不安がある場合は、免許取得や更新の前に見え方を確認しておくとよいでしょう。

免許種別に見る深視力検査

深視力検査の方法や合格基準は、対象となる免許によって変わるわけではありません。

一方で、中型8t限定や準中型5t限定のように「深視力検査が必要かどうか」が異なる免許があります。

ここでは免許種別の違いを確認します。

大型免許の深視力

大型第一種免許を取得する場合は、通常の視力検査に加えて深視力検査が必要です。

視力は、

  • 両眼0.8以上
  • 片眼それぞれ0.5以上

であることが必要です。

さらに、三桿法による深視力検査で3回測定し、その平均誤差が2cm以下でなければなりません。

大型免許を保有している場合は、免許更新時にも対象となる適性検査を受けます。

大型免許の取得条件・教習時間・取得方法はこちら

中型免許の深視力

限定のない中型第一種免許では、深視力検査が必要です。

視力は両眼0.8以上、片眼それぞれ0.5以上で、深視力については3回の平均誤差が2cm以下である必要があります。

ただし、中型8t限定免許を限定された状態のまま保有している場合は、深視力検査の対象ではありません。

そのため、「中型免許を持っている人は全員深視力検査が必要」とは限らない点に注意してください。

中型8t限定を解除して限定のない中型免許にする場合は、限定解除後の更新時に適用される視力・深視力の基準も確認しておきましょう。

中型免許の取得条件・教習時間・取得方法はこちら

準中型免許の深視力

限定のない準中型第一種免許では、深視力検査が必要です。

視力は両眼0.8以上、片眼それぞれ0.5以上、深視力は3回の平均誤差が2cm以下であることが基準です。

一方、準中型5t限定免許を限定された状態のまま保有している場合は、深視力検査の対象ではありません。

準中型5t限定を解除して限定のない準中型免許にする場合は、限定解除後に適用される視力・深視力基準にも注意が必要です。

準中型免許について詳しくはこちら

牽引免許の深視力

けん引免許でも、深視力検査が必要です。

けん引第一種免許の場合も、

  • 両眼0.8以上
  • 片眼それぞれ0.5以上
  • 深視力は3回の平均誤差2cm以下

という基準が適用されます。

「第二種免許ではないから深視力は不要」というわけではなく、けん引免許自体が深視力検査の対象です。

牽引免許の取得条件・教習時間・取得方法はこちら

普通二種・中型二種・大型二種免許の深視力

二種免許では深視力検査が必要です。

大型二種や中型二種だけでなく、タクシーやハイヤーなどの運転に使用される普通二種免許についても深視力検査の対象となります。

二種免許では、

  • 両眼0.8以上
  • 片眼それぞれ0.5以上
  • 深視力は3回の平均誤差2cm以下

という基準が適用されます。

そのため、現在普通第一種免許を持っていて深視力検査を受けていない方でも、普通二種免許を取得する際には深視力の基準を満たす必要があります。

二種免許について詳しくはこちら

免許更新時にも深視力検査はある?

はい。

大型第一種、中型第一種(限定なし)、準中型第一種(限定なし)、けん引、第二種など、深視力が必要な免許を保有している場合は、免許更新時の適性検査でも深視力の基準を確認します。

更新時の基準も、

  • 通常視力:両眼0.8以上、片眼それぞれ0.5以上
  • 深視力:三桿法で3回検査し、平均誤差2cm以下

です。

中型8t限定や準中型5t限定を限定された状態のまま保有している場合は、限定のない中型・準中型とは適性試験の基準が異なります。

深視力検査の基準を満たせなかった場合は?

深視力検査で基準を満たせなかった場合は、その時点で対象となる免許の適性基準を満たしていないことになります。

免許取得時であれば、必要な適性基準を満たさなければ、その免許を取得することはできません。

また、免許更新時に対象免許の適性基準を満たせない場合は、その免許をそのまま更新できない場合があります。

保有している免許の種類によっては、下位の免許への変更などが可能となる場合もあります。具体的な取扱いは保有免許の組み合わせなどによって異なるため、住所地を管轄する運転免許センターや警察に確認してください。

見え方に不安がある場合

普段から眼鏡やコンタクトレンズを使用している方で見え方に不安がある場合は、免許取得や更新の直前までそのままにせず、必要に応じて眼科や眼鏡店などで視力や使用している矯正器具の状態を確認しておくことをおすすめします。

なお、深視力検査について「このタイミングで押せば必ず合格する」といった方法はありません。

検査方法を事前に理解しておくことはできますが、実際の検査では自分の見え方に基づいて中央の棒の位置を判断する必要があります。

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