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スラロームのコツ

スラローム コツ 指導員が教える

更新日:2025年2月24日

スラロームとは、全長27mの区間に5本のパイロンが等間隔に設置されたコースを、左右交互にパイロンを避けながら、基準タイム以内に通過する課題です。

スラロームに関しては「通れないわけではないが、規定タイムをクリア出来ない」ケースが見受けられます。
スラロームは、クランクなどの低速で走行する課題と比較すると、通過する速度が速くなることから、バイクの安定性は向上します。そのため、通過するだけであれば、クリアしやすい課題になります。しかし、規定タイムがクリア出来ていない場合は、現状より速度を上げる必要があります。
また、「通れるけど、スムーズに通過できない」といったケースも見受けられます。

速度を上げる、スムーズに通過するためには、いくつかのコツを掴む必要があります。

私共は、教習を行う中でスラロームの「コツ」を4つに絞ることができました。ここでは、その4項目を当校の指導員がご紹介するので、スラロームの通過が苦手な方、規定タイムがクリアできない方は、参考にしていただきたいと思います。

スラロームとは

スラロームの正式名称は、連続進路転換コースと言い、一定の間隔に設置されたパイロンを左右交互に避ける課題がスラロームになります。

スラロームを練習することで「バイクの傾け方」「バイクを傾けて旋回させる感覚」「旋回中のアクセルワーク」などを身に着けることができます。

スラローム コツ

スラロームのコツ

スラロームのコツは以下の4項目です。通過が苦手な方、規定タイムがに達していない方は、以下の4項目のいずれかに原因があると思われます。ご自身の運転を思い出しながら、比較してみましょう。

  1. 1.進入角度
  2. 2.目標の取り方
  3. 3.旋回
  4. 3.アクセルの使い方

以上がスラロームのコツになります。それでは、1つずつ解説いたします。

進入角度

スラローム コツ 進入角度

進入角度とは、スラローム入口に差し掛かった瞬間のバイクの角度です。

ベストな進入角度は、前輪が入口に差し掛かった瞬間に、1本目のパイロンが避けやすい角度です(下記の画像参考)。入口で角度を付けておくと、入口からパイロンを避けるようなラインで進入できるため、スムーズに1本目を避けられるようになります。入口の手前から、1本目を避けやすいラインでスラロームに進入できるようにしましょう。

反対に、難しくなる角度は、入口に対して垂直になっている場合です。垂直の状態で入口に差し掛かってしまうと、入口を過ぎてから、1本目のパイロンを避けるようになってしまうため、パイロンを避けるスペースが少なくなり、避け遅れる可能性が高くなります。1本目を避け遅れると、それ以降のパイロンが避けづらくなるため、速い速度でスラロームに進入することが難しくなります。

少し角度を付けて進入
垂直は難しくなります

自動車学校によってコースのレイアウトが異なるため、曲がりながらスラロームに進入するコースもあれば、真っ直ぐスラロームに進入するコースもあります。
入口に対して、曲がりながら進入するコースの場合は、オレンジラインのように回り込むようなラインで進入するとスムーズです。
真っ直ぐに進入する場合は、赤色ラインのように入口に差し掛かる瞬間、若しくは、少し手前(約50㎝)で左に振るとスムーズに避けられるようになります。

スラローム ポイント
曲がりながら進入するコースの場合
スラローム コツ
直進で進入するコースの場合

全体的にスラロームの通過が窮屈な方、1本目が避けにくい方は、進入角度を意識してみましょう。

目標の取り方

スラローム コツ 見る所

目標とは、見る所をさします。スラロームをスムーズに通過するためには、パイロンと次のパイロンの間に目標を取るようにします。これは、通りたい所(目標)を見ることで、体がバイクを目標に向かわせるようなるためです。目標に向かうように体が反応する現象を、視覚吸引作用と言います。まずは、車体を通過させたい所を捉えて、体が反応するようにしましょう。

教習をさせていただく中で、パイロンに向かって進行する方、スラロームを直線的に走行してしまう方を、見かけることがあります。このような現象が発生する方は、パイロンを見ながら走行している可能性が高いです。まずは、適切に目標を捉えるようにしましょう。

スラローム 目標の取り方
スラローム ライン取り
スラローム コツ

上図のように、パイロンと次のパイロンの間を見るようにしましょう。バイクが前進する度に、目標を移動するようにすることがポイントです。

旋回

スラローム 旋回

スラロームを速い速度で通過するためには、旋回(回り込んで避ける)するイメージが重要です。これは、回り込んで避けることで、車体を傾けられるようになるからです。車体を傾けることができると、速い速度であっても小さく曲がれるようになります。練習開始直後は、速度が遅くても良いので、旋回して避ける練習を繰り返しましょう。

車体を傾ける方法は、幾つかあります。その中で、最も容易な方法がハンドルを切ることです。ハンドルを切ると、バイクは自然とハンドルを切った方向に倒れこみます。更に、切り方と量によって傾き方が変わるため、スラロームでは、次々とパイロンを避ける必要があるため、素早くハンドルを切ることが重要になります。

速く走るために、直線的なラインで走行しようとする方がいらっしゃいます。直線的なラインで通過しようとすると、パイロンに接触する可能性が高くなるだけでなく、バイクの倒れる角度が浅くなるため、通過自体が難しくなります。

バイクが上手く傾かない方、パイロンに詰まってしまう方、スラロームを窮屈に感じている方は、意識的に旋回させる練習をしていただき、バイクを傾けられるようになりましょう。

アクセルの使い方

スラローム アクセル使い方

スラロームでは、「アクセルをリズミカルに使いましょう」「車体を起こすためにアクセルを使いましょう」といった、表現が使われますが、教習生の段階で理解できる方は少ないと感じています。また「アクセルなんてとんでもない」「アクセルを使おうと思えない」など、アクセルを使用すること自体を、難しく感じている方もいらっしゃいます。

そこで、アクセルの使い方を、初級編と上級編に分けて解説しますので、徐々にアクセルが使えるようになりましょう。初級編の使い方を覚えるだけでも、基準タイムを狙えるようになりますので、ご自身のペースに合わせて練習してみましょう。

初級編

1段階であれば、アクセルが使えそうな時機を見つけること、使える状態を作ることが重要です。

進入~中盤~出口の順番で解説します。

進入では、スラロームには基準タイムがあるため、速度を上げて進入しようとする意識が高くなります。進入速度が速すぎると、1本目のパイロンを避けることが難しくなります。まずは、ご自身が確実に通過できる速度で進入しましょう。

徐々に慣れてきたら、入口の手前で助走をつけるイメージでアクセルを使いましょう(少し速度を与えるイメージ)。入口に差し掛かれば、アクセルを緩めても大丈夫です。助走の力を借りることで、3本目のパイロン辺りまでは、アクセルを使わなくても力がある状態で到達できると思います。3本目あたりまで力が持続しない方は、入口手前のアクセル量が少ないと考えられますので、少しずつアクセル量をプラスしてみましょう。

3本目を避ける頃には、失速する可能性が高くなります。失速すると、車体が不安定となるため、避けにくい状態になります。そのため、アクセルを使って車体を安定させる必要があります。この時、アクセルを使うタイミングは、パイロンを避け終わった瞬間です。
パイロンを避けながらアクセルを使うと大きく膨らみます。避ける前に使うと、直進的に進行してしまうため、避けられなくなります。アクセルを使用した後は、すぐ次のパイロンが迫ってくるのでアクセルを緩めるようにしましょう。

残すは出口付近です。5本目のパイロンを通過した後は、出口に向かいます。出口以降は、直線的に抜けられるためアクセルを使えるチャンスになります。5本目を通過直後は、アクセルを使うようにしましょう。

ここで、注意点です。失速したからといって、無理をしてアクセル使う必要はありません。恐らく、3本目から失速しても、5本目までは到達できると思いますので、少しずつ慣れてから、アクセルを使えるように練習しましょう。

上級編

「アクセル使ってバイクを起こす」とは、感覚的な表現になります。

パイロンを避けるきは、車体を傾けて旋回させるようにします。スラロームの場合は、右左と交互に旋回させる必要があるため、素早く車体の傾きを逆にする必要があります。これを行うためには、ハンドルでは間に合わない状態になるため、アクセルを使います。アクセルを使うと、遠心力などによって車体が起き上がるようになります(外側に力が加わる)。つまり、傾いていたバイクが水平に戻る(起きる)ようになります。後は、ハンドルを切るだけで次の旋回に移行できるようになります。

アクセルでバイクの起き上がる感覚が掴めるようになった方は、避け終わる直前にアクセルを使うようにしましょう。そうすることで、避け終わった瞬間には、車体が起き上がっているため、次の旋回に移行しやすくなります。

アクセルのまとめ

アクセルを使う時機の表現を、初級と上級で若干変えています。これは、速度の違いによるものです。慣れてきたら、アクセルを使う時機を、少し早めるようにしましょう。

又、アクセルは常に使う必要はありません。「使える時」「使えそうな時」に使うことが大切です。教習開始当初は、使いたくても使えない方が大半です。少しずつ慣れてきて、バイクが傾くようになってから使えるようになります。

指導員も、常にアクセル使って通過しているわけではありません。必要ない時は使いません。無理をせず、自分にペースに合わせてアクセルを使うことが上達への近道です。

以上がスラロームのコツになります。

上達するためには、自分の現状を把握することが大切です。どのように進入して、そのあたりを見ながら走行しているのか。アクセルはいつ使っているのか。現状の分析を行って、改善できそうな所を1つずつ改善しましょう。

いきなり全てを改善することは、到底できることではありません、1つずつ自分のペースで練習しましょう。

動画で確認

補足

スラロームのコツを掴んで段階的に上手くなる方法としては、以下のようにすると効率的です。

①進入速度はクランクと同等に近い速度で進入する
②パイロンの間を見ながらハンドルで避けるようにする
③リズムよく避けられるようになったら、進入速度を上げる
④5本目のパイロンを避け終わったら、出口に向かってアクセルを使う(若干)
⑤3本目辺りで失速してくるため、3本目の避け終わりでアクセルを使う(若干)

①が出来たら、②を出来るようにする。といったように、順番に出来るようになることで、自然とスラロームでの動きがスムーズになると思います。まずは、1つずつ出来るように、練習してみましょう。

最後に

スラロームは、「何となく」できてしまう部分があるため、自分の課題となっている部分を見つけ難い所があります。まずは、「上手くできていない」と感じる所を見つけてみましょう。そこから、1つずつ解決することが上達のポイントになります。

※苦手な部分には、個人差があります。上記方法で全てが解決する訳ではございませんので、ご了承ください。

二輪教習のポイント

Vol.1 正しい運転姿勢

Vol.2 一本橋のコツ

Vol.3 クランクのコツ

Vol.5 波状路のコツ

Vol.6 引き起こしのコツ

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