普通車免許はオートマとマニュアルはどっちがいい?

更新日:2025年4月18日
普通車免許を取得する際に「オートマとマニュアルのどちらがいいですか?」「オートマとマニュアルで悩んでいます」といった、ご質問を当校で受けることがあります。
約10年前は、こういった質問を受けることが度々ありましたが、5年前ぐらいから徐々に増え始めています。
質問が増え始めた背景の1つとして、男性のオートマで取得する割合が約70%まで増加しており、マニュアルで取得される方が減少しているためだと考えています。
こういった状況から、オートマで免許取得を考えていたが、家庭の事情環境、親御様の考え、車に対する興味関心の高さなど、マニュアルでの取得を考えるようになり、オートマとマニュアルで悩まれる方がいらっしゃいます。
では、悩んだ際に「オートマとマニュアルのどちらで普通車免許を取得」したらいいのでしょうか?
ここでは、オートマとマニュアルの取得割合、それぞれのメリット、最後に悩んだ場合の選択方法について、ご紹介いたします。
オートマとマニュアルの割合はどうなっているの?
令和4年中に、指定自動車学校を普通車免許で卒業された方のオートマとマニュアルの人数は、以下のようになっています。

全国でみると、オートマ72.7%、マニュアル27.3%となっており、オートマで取得される方が70%を超えています。
では、広島県ではどうでしょうか?

広島県では、オートマ72.08%、マニュアル27.9%となっており、広島県でもオートマでの取得率が高くなっています。
グラフからもお解りのように、オートマでの取得割合が全国、広島の両面から見ても高くなっています。では、ここまでオートマの割合が高くなった要因は、どこにあるのでしょうか?
オートマが人気の理由とは?
普通車のオートマが人気の理由として、
1 オートマの普及率が約98%となっている
2 マニュアルと比較べて、免許取得費用が安価
3 マニュアルと比較して、操作が容易
4 周りがオートマで免許を取得している
5 オートマ限定解除を行えば、マニュアル車を運転できるようになる
こういった、理由が上位となっています。(当校調べ)
オートマの普及率
オートマの普及率が98%になっていることから、自家用車の大半がオートマになっていると思います。当校でも、自家用車がマニュアルのお客様は、極めて少なくなっています。
社用車についても同様のことが考えられます。一昔前は、社用車がマニュアルのため、採用基準の中に「要マニュアル免許」の記載がありましたが、現在では、少なくなっています。
また、ご両親がマニュアルで取得されていたため、お子様にもマニュアルを勧めるケースもありましたが、こちらも少なくなっています。
マニュアルに比べて免許取得費用が安価
オートマの免許取得費用が安価な理由は、技能教習時間が短いためです。
原付免許保有の方、若しくは、免許をお持ちでない方の技能教習時間(基準時間)は、以下の通りです。

※(新)は、新カリキュラム
※(旧)は、旧カリキュラム
※カリキュラムについては、自動車学校で新と旧のいずれかを実施されています
図のように、オートマは技能教習時間が短くなるため、料金がマニュアルと比較して安価になります。
※補習などがついた場合を除きます。
マニュアルに比べて操作が容易
運転操作では、オートマの方が容易と言えます。容易となる理由として、ペダル操作とギア操作があげられます。
ペダル操作に関しては、オートマがアクセルとブレーキの2ペダル。マニュアルは、アクセル、ブレーキ、クラッチの3ペダルとなっており、1つペダルが多くなります。そのため、オートマに比べて操作が複雑になります。
ギア操作は、オートマは前進中はドライブレンジにギアを入れていれば、車がギアを自動で変速してくれます。一方、マニュアルは自転車の段変速と同じように、自分でギアを変更しなければなりません。
限定解除
オートマ限定免許のオートマ限定解除を行うと、マニュアルを運転することができるようになります。そのため、取り敢えず、オートマで免許を取得しておいて、必要になった際に限定解除される方が増えています。
マニュアルを取得する理由とは?
オートマで普通車免許を取得する割合が増えている中で、マニュアルで取得される方も当然いらっしゃいます。当校に普通車免許をマニュアルでご入校された方に、理由を聞いてみると以下のようになりました。
- ・親のすすめ
- ・マニュアルを運転してみたかった
- ・就職先の指示
上記のいずれかが大半でした。
オートマの普及率が約98%とはいえ、自家用車がマニュアルの方はいらっしゃいます。また、海や山に隣接した地域にお住いの方、実家が自営業の方は、軽トラなどマニュアル車を保有されていることから、マニュアルで取得されています。
マニュアルを運転してみたい方は、車に関する興味関心度が高く、レースなどのスポーツ的な観点から、マニュアルに憧れを抱いて取得されています。
就職先でマニュアルが必要となるのは、警察官などに代表される公務員、カーディーラー、運送業などです。限られた業界では、マニュアル車を運転する機会が多くあるため、マニュアルが必要となります。
オートマとマニュアルの違いとは
オートマとマニュアルの違いは、ペダルの数とギアの仕組み及び操作になります。違いに関しては、メリットとデメリットが存在します。


オートマのメリット
オートマのメリットは、マニュアルに比べて操作が容易であるという部分です。
運転操作には、大きく分けるとペダル操作とハンドル操作の2つがあります。特に、ペダル操作はマニュアルと比べると容易に操作できるように設計されています。ペダル操作が容易なので、ハンドル操作に意識を向けることができます。
また、車の発進と停止の操作が容易です。
オートマはクリープ現象といって、前進する際の「ドライブ」、後退する際の「リバース」レンジに入れると、自動的に進みます。つまり、ブレーキを緩めると車が自動的に進むため、発進するときはブレーキを緩めるだけになります。反対に、停止するときはブレーキを踏むだけで停止させることができます。
一方、マニュアルで発進する際は、アクセルとクラッチを使用して発進します。この際、ペダルの調整が上手くいかないと、エンストを起こしてしまうので、慎重にペダルを調整する必要があります。停止に関しては、ブレーキとクラッチの両方を踏んでおく必要がある上、クラッチを踏む時機が遅いとエンストの原因になります(ニュートラルの場合を除く)。
上記の違いは、渋滞の時に大きな差を生み出します。
オートマは渋滞中、クリープ現象の速度をブレーキで調整するだけで、周りのペースに合わせることができます。一方、マニュアルはアクセルとクラッチ、ブレーキを駆使して周りのペースに合わさなければなりません。更に坂道になると、その操作を素早く的確に行わなけば、坂道を逆行する恐れがあります。

オートマのデメリット
オートマのデメリットは、誤発進になります。これは、ドライブレンジとリバースレンジの入れ間違い、アクセルとブレーキの踏み間違いによって発生します。間違いなく操作すれば、誤発進は起こりませんが、油断しているとその確率は高くなります。ニュースなどで、建築物などに突っ込んで事故になったケースを見たことがあると思いますが、こういった事故は、誤発進によって引き起こされているケースが大半です。
マニュアルのメリット
マニュアルのメリットは、操作感になります。車を操っているという感覚は、マニュアルの方が強いです。運転操作を楽しみたい方、車が好きな方は、この操作感に魅力を感じている方が多くいらっしゃいます。複雑な操作を難なくこなす姿は、カッコよさも際立ちます。また、マニュアルで普通車免許を取得される方は、貴重な存在となりつつあるため、将来的に重宝されることも考えられます。
誤発進についても、マニュアルの操作方法であれば、緩やかなスタートになるため、ギアを入れ間違えたとしても、すぐに停止して適切なギアに入れ直すことができるので、誤発進の可能性を極端に下げることができます。
マニュアルのデメリット
マニュアルのデメリットは、操作が面倒になることです。マニュアルの操作が複雑であることは、これまでに述べてきましたが、教習の中で操作に慣れていくことで、スムーズな操作が行えるようになります。しかし、この操作の複雑さが、面倒になることがあります。特に渋滞などは、同じ操作を短時間で繰り返し行うことから、面倒に感じやすくなります。
どちらがいいのか?
どちらにすべきかは、普通車免許取得後の使用方法によって異なります。
通勤、通学、時々のドライブや買い物など移動手段をメインとして利用される場合は、オートマをオススメしています。反対に車を趣味にしたい、運転に興味がある方は、マニュアルをオススメしています。
当校の場合、オートマとマニュアルで悩まれているお客様の約90%は、オートマで取得されています。これは、周りがオートマで免許取得をしていること、マニュアルが必要となった場合は、限定解除すれば良いという考えから、ひとまずオートマで取得されているからです。
マニュアルでご入校されているお客様は、マニュアル一択の方が多く、オートマと悩まれているケースは少ないです。こういったお客様は、マニュアルで取得しなければならないため、悩むことはないようです。
当校では、お客様係を配置しておりますので、オートマとマニュアルでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。